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労働環境の変化を過去30年振り返って老後を見据えたワークライフバランスの在り方を考える

ライフシフト
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こんにちは。もうすぐ51歳を迎えようとするひなこです。昨日30歳になる職場の後輩から結婚後の生活について相談を受けました。

ようやく「この人なら!」と結婚を夢見るようになった彼女、付き合ってわずか数か月なのに、もう結婚後の生活のことも互いに話し合っているそうです。私にも現在のプランを沢山話してくれました。(もれなくのろけ付き)

その中で「いつまで働く?どんな働き方をする?ライフスタイルは?」という話題で盛り上がりました。

職種の異なる二人、結婚して子供ができて、家を買って・・・。そこまでは何となくイメージができる。でも、子供たちが独立した後は?定年まで今の職場で働くことは体力的に可能の?家のローンはどうなっている?考え出すと心配なこともいっぱい。

色々話した結果、老後を考えて若いうちから働き方(収入とライフプランをきちんと考え、夫婦でそれを共有することが大事だね、という結論に。

そこで今回は過去30年の日本人の働き方を振り返るとともに、これからの「働き方」について考えるポイントを三点ご紹介します。

流行語をもとにこれまでの日本の働き方を振り返る

サラリーマンの場合、これまでは定年の60歳で定年を迎える人が一般的でした。しかし、人生100年時代を迎えた今、近いうちに間違いなく65歳まで定年が延長されるだけでなく、長くなったシニアライフを維持するため、65歳以降も何らかの形で働くことが必要になってきます。

では何歳まで働けばよいのでしょうか、そしてどんな働き方があるのか。

まずはこれまでの日本での働き方がどうだったかを流行語をもとに振り返ってみましょう。

1980年代前半/“24時間戦えますか?”・“5時まで男、5時から男”

1980年代のはじめ、日本は著しい経済成長期を迎えました。そしてバブル景気に突入。パソコンの登場(1982年)、インターネットの誕生(1983年)などで業務効率化が図られたこの時代は「ワークライフバランス」なんて考えは1ミリもなくて、「ひたすら働く」が善とされました。

1980年代後半/“ヤンエグ”・“アッシー君、みつぐ君”・“亭主元気で留守がいい”

バブル真っただ中で、日本全体が最も活気づいた時期。「バリバリ働いてしっかり稼ぐ、遊ぶ」が当たり前。今と違ったのはバリバリ働いたぶん、きちんと報われてたこと。働いたら働いた分給料に還元されるので、欲しい車が買えて、高級マンションに住める。それが実現された時代でした。残業代が全額支給されたので、残業月100時間なんてザラだよ、という人も多かったようです。

しかし、「よく働きよく遊ぶ=かっこいい」の裏で心身のバランスを崩す人も多かったのも事実。「過労死110番」が大阪に日本で最初に開設されたのもこの時期です。メンタルヘルスケアなんていう言葉はもちろん、相談する相手もなかなか見つけられず苦しむ人も多かったようです。

女性は、男女雇用機会均等法の施行により、若い人は男性と同じくらいバリバリ働くキャリアウーマンを目指すようになります。そして専業主婦として長年家にいた中年の女性たちの中には、「亭主元気で留守がいい」という言葉に代表されるように、夫は家にお金を入れてくれる存在で、常日頃は家にいない方が都合が良いと思う人たちもいたようです。家庭内における夫(父)の存在感はかなり薄かったことが想像されます。

1990年代/“バブル崩壊”・“アムラー”・“ヤマンバ”・“非正規雇用”・“ワーキングプア”

バブルが崩壊し、人員整理が始まりました。大手企業も次々と倒産、売却…。冷え切った空気感に日本中が包まれました…。「会社に全てを捧げる」ことに意味がなくなっていき、かつての企業戦士たちはみんなしょげてしまい、一気にお疲れモードに。代わりに台頭してきたのが「アムラー」「ヤマンバ」といった女子高生たちでした。

この時代はまだ終身雇用制度が当たり前、年功序列の意識が強かったので、早期退職、希望退職を支援するというより「新規採用を止める」ことで会社は生き残りをかけました。今の40代はもろにこの影響を受けた「就職氷河期」世代ですね。また、1987年に労働基準法によって法定労働時間が短縮され、給料も下がることとなりました。そのため、“非正規雇用”、“ワーキングプア”の人々が増えていきました。

2000年代/“iモード”・“IT革命”・“リーマンショック”・“過労死”・“派遣切り”

1990年代から過労死が増え始め、過労死が社会問題化しました。それに伴い、産業医の重要性が認識され始めます。2000年には最高裁が電通の従業員に対する安全配慮義務違反(企業側が労働者に対して安全に働くことができるよう準備や配慮をする義務を果たしていない)を認める判決を出します。この判決は大きな影響を与え、自殺のみならず、病死でも労災が認められる例が増えていきました。過労死という悲劇が続き、国も企業も少しずつ動き始めた時代でした。

しかし就職氷河期に正規社員になれなかった若者たちが非正規雇用である派遣に流れたものの、リーマンショック、景気後退による経済の停滞のあおりで、派遣切りが多く起きた時期でもありました。2008年には、派遣切りに遭って行く場所、食べるものに困る人たち向けに「年越し派遣村」が日比谷公園に設けられました。

一方で、情報通信機器の発達が著しくなり、私たちの生活にパソコンや携帯電話が浸透していった時期でもあります。「六本木ヒルズ族」と言われるITバブルの恩恵を受けた成功者も出ました。

2010年代以降/“ブラック企業”・“アベノミクス”・“一億総活躍社会”・“働き方改革”

・この10年間は激動の10年と言っても良いでしょう。2011年の東日本大震災、2013年の御嶽山噴火、2016年の熊本地震、2018年には、大阪府北部地震や北海道胆振東部地震や西日本を中心とした広範囲な被害を出した記録的な集中豪雨が発生。さらに「災害級の暑さ」ともいわれるほどの猛暑が年々恒常化するなど、多くの人が自然の猛威の前に自分がに無力であることを思い知らされることが続きました。同時に、連帯し協力すること、多様性を大事にして他者を思いやる大事さなどが社会全体で共有されるようになりました。

2013年、第二次安倍内閣が経済成長を目指す「アベノミクス(三本の矢)」を敢行。日銀によるこれまでにない異次元の金融緩和を行い、輸出関連企業を中心に増収増益を記録しました。しかし賃金にはさほど影響が出なかったため、2015年に安倍内閣は「一億総活躍社会」(少子高齢化に歯止めをかけ、50年後も人口1億人を維持し、家庭・職場・地域で誰もが活躍できる社会)を目指すと宣言しました。を目指すと宣言。しかし「介護離職」の問題、待機児童解消が進まないことが話題となりました。過労死問題も解決がなかなか図られず、「ブラック企業」という言葉があちこちで使われました。

iPhoneをはじめとするスマートフォンが爆発的に普及し、携帯電話は激減。「ツイッター」、「YouTube」や「LINE」「インスタ」が当たり前のものになっていったのもこの頃。今や生活やが働くうえでスマートフォン、SNSはなくてはならないツールです。

インターネットインフラや機器が充実するとともに、新しい働き方、職業も増えています。2012年の「ノマドワーカー」から始まり、「YouTuber」、「ブロガー」など、フリーランス自由な働き方をする人が増えました。さらに2020年の新型コロナウイルス感染拡大に伴って在宅勤務、リモートワークが一気に普及しており、2016年に安倍内閣が提唱した「働き方改革」が実社会で具現化しようとしています。しかし、働き方改革の旗振り役として登場した「プレミアムフライデー」は一体どこにいっちゃったんでしょう・・・。

これからの働き方は「仕事と生活の調和」と「多様な働き方」がポイントです!

1980年代から今日に至るまでの30年間を振り返るだけでも、働き方が変わってきたこと、会社と個人の関係が少しずつ変化していることがわかりますね。

現在の40代以上の大人の方々は「こうあるべき」と決められた既定路線の上を走ってこざるを得なかった時代でした。私もそうでした。

しかし、今後は自分がどんな働き方をしたいのか、選べる時代になりました。そして定年を迎えたのちも働くことが求められる時代です。ゴールは未定の人生になりますね。

何も考えず過ごすことももちろんOKですが、歳が老いて環境や健康、体力が変化していくことを念頭において今後を考えておく方が安心だと思いませんか?そこで考えるうえで柱となる二つのポイントを最後に述べたいと思います。

1.今のうちから「仕事と生活の調和」を考えた働き方をしましょう

人は自分の両親を見て育つといいます。今、現役で働いている皆さんの働き方、労働に関する価値観は無意識のうちに自分の両親の現役時代のイメージを基に構成されているのです。あなたのご両親はいつの時代が現役だったでしょうか?バブル景気前?バブル景気全盛期?それともその後の不景気の時?

しかし、働き方改革が進む今日、どう考えても親世代のように仕事第一、家庭を顧みない働き方はもう時代遅れですよね?

最近、退職と同時に離婚されてしまう、または「濡れ落ち葉みたい」と煙たがられながら自宅で何することもなくぼんやり過ごさざるを得ない男性、結構多いです。そんな未来は嫌ですよね?望んでいませんよね?

自分のためにも仕事と私生活のバランスを現役世代の今から意識して毎日を過ごすようにしてはどうでしょうか?その際に次のようなことを中心に据えて過ごすと良いかもしれません。

1.仕事にやりがいや充実感を感じているか?
2.周囲に期待されている仕事上の責任を果たすことができているか?
3.家庭でパートナーと話しあい、家事や育児を互いに助け合って果たしているか?
4.地域活動に参加しているか?地域に友人は作れているか?
5.仕事以外に自分の趣味や楽しみはあるか?

2.一つの仕事に固執するのではなく、色々な仕事に挑戦する気持ちを常に持ちましょう

日本はこれから世界一の長寿社会になります。100歳まで生きられる人が格段に増えます。調査によると、100歳まで安心できる生活を維持して生きるためには、おおよそ75歳くらいまで働くことが目安になるそうです。ただし「定年後も働かなければ」とか「お金を稼がなければ」と思い詰めすぎると辛くなってしまいそうですよね?また、老化して体力が衰え、健康不安も増える老年期まで今と同じくらいに働かなくては、と思ったら気絶してしまいそうです。

そこで今のうちから次のことを意識しながら働いてみましょう。

1.今もっている経験やスキルをもっと磨くように日々意識する。
2.仕事を通して会社以外の沢山の人脈を作っておく。
3.仕事で起きたトラブルや課題に対して、自分の可能性を広げるるチャンスと思って取り組んでみる。
4.自分の得意なこと、苦手なことを洗い出しておく。
5.65歳くらいまでの自分のキャリアプランをざっくりと考える。(この会社でどのぐらいの期間働き、いつ転職するのかなどといったこと)
6.知りたいこと、身に着けたいことを調べる、学ぶ習慣を身につける。
7.時代の変化や情勢に敏感になっておく。またそのためにもITスキルはある程度身につけておく。

いかがですか?現役世代である40代は目の前の仕事と生活に追われがちですが、将来どうなりたいか、どう過ごしたいかをイメージすると、「今、何を大事にして頑張るべきか」が自然と見えて来るかもしれません。人は誰もが年老いていきます。いつまでも楽しく過ごせるために、今できることを少しずつトライしてみてくださいね!

ひなこ

50代前半未婚女子。療育関係に長年勤務し2022年春退職。80代の父を介護し看取りました。現在は公認心理師 と専門学校の生物の講師を兼業。アドラー心理学と認知行動療法、女性活躍推進コンサルタントを勉強中です。ここでは様々な生き方に関するお役立ち情報と耳や目に関わることについて発信しています。

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