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志尊淳が人生最後の願いを叶える。ドラマ「天使にリクエストを」を通して生きることの意味を考えた

ライフシフト
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みなさんこんにちは。両親が弱ってきて、介護がだんだんと目前に迫りつつあるひなこです。特に父親は85歳を超え、体力、認識力とも衰えが目立つようになりました。そのため、老親の最後をどう見送るのが良いのか、考えることが多くなりました。

2020年秋、NHK土曜ドラマ(毎週土曜日夜9時~)で放映された『天使にリクエストを~人生最後の願い~』はそんな私にドンピシャのドラマで深く感動を覚えた作品でした。皆さんにもこの感動をシェアしたいのでご紹介します。

末期患者の「最後の願い」を叶える活動をテーマにした探偵ドラマ「天使にリクエストを」

末期患者の「最後の願い」を叶えるボランティア活動は2007年、オランダで始まりました。以来、このサービスを利用した人は1万4000人を超え、活動はヨーロッパだけでなくアメリカ、イスラエル、オーストラリア、南米等、世界各地に広がりを見せています。日本でも行われています。

この活動を基にしていますが、決して堅苦しいお話ではありません。末期患者の「最後の願い」を叶えることを謎の老女に託された、探偵とその助手、看護師の三人が活躍する物語。《探偵ドラマ》と《福祉》という意外な2つの要素が本作の魅力を作り上げています。

志尊淳くんは看護師の役で出演しています。

ヨーロッパで最先端の技術と思想を学んできた意欲的な看護師。母と同じ訪問看護師の道を歩むが、留学で「最後の願い」を叶える活動を知って共感し、ボランティアで参加した。理想の高さと頑固さが災いし、亜花里としばしば衝突する。

『天使にリクエストを~人生最後の願い~』ホームページ

ドラマ「天使にリクエストを」のみどころ

豪華な俳優陣が勢ぞろいです

まずは出演している俳優陣が素晴らしい人たちでそろえられていること。主要キャストが素晴らしいのはもちろん、それを支える他の俳優さんたちも素晴らしくて、どの場面も臨場感と演技の力強さを感じ、見ごたえがありました。

〇 最後の願いを叶える「サイレントエンジェル(島田探偵社)」のメンバー
  ・探偵、島田修悟~江口洋介 ・探偵を支える助手、小嶋亜花里~上白石萌歌
  ・看護師、寺本春紀~志尊淳

〇「最後の願い」を叶える仕事を依頼してきた謎の老女  倍賞美津子

〇その他出演俳優 板谷由夏、梶芽衣子、塩見三省、山本學、西郷輝彦、羽野晶紀

志尊淳くんも豪華俳優陣の中で柔らかな雰囲気を持ちつつも、なかなか骨のある演技を見せてくれています。これからの彼の成長がとても楽しみです。

依頼者の様々な「人生最後の願い」を通して生きることを考えさせられます

人生最後の願いを叶えたい人物たちは、どの人もいわくつきの過去を持つ人ばかり。でも、物語が進むにつれて、どの人生も山あり谷あり、それをそれぞれ必死に乗り越えてきたことがわかります。そして最後に残った下したい人生の荷物、終わらせたい人生の宿題、それに立ち向かう姿が愛おしく感じられてきます。

(1)幹枝の願い

かつて保育園の前に捨てた子供を探し出して謝りたい。捨て子の有力候補は暴力団の組長だった!?

(2)武村正介の願い

アパートで荷物の整理をしたい。でも実は45年前の爆弾犯だった?

(3)探偵の元妻・時恵の父・三井の願い

秩父の札所巡りをしたい。しかし本当の願いは、娘夫婦の復縁?

(4)最後の願い」を叶える仕事を依頼してきた謎の老女・佐藤和子の願い

大きなオモチャ屋の創始者の娘で社長だった和子。息子は先に亡くなったので一人ひっそりと最期を迎えたい。でも実はすぐ近くに近親者が・・・!

俳優たちが歌う昭和の名曲がさらにドラマを盛り上げます

番組の終わりには毎回「サイレントエンジェル」のメンバーが依頼者に向けて昭和歌謡を歌います。それはどれも昭和を生きてきた人たちには懐かしい、口ずさめる曲なのですが、江口洋介さん、上白石萌歌さん、志尊淳さんが歌うと新鮮な曲に生まれ変わります。各話で流れる歌は以下の通り。

・第一話・・・「無縁坂」(さだまさし)
・第二話・・・「アカシアの雨がやむとき」(西田佐知子)
・第三話・・・「生活の柄」(高田渡)
・第四話・・・「守ってあげたい」(松任谷由実)
・第五話・・・「さすらい」(奥田民生)※これだけは平成の歌ですね

昭和歌謡は人生の苦さ、喪失の苦しみ、そのの中で見つけた希望など、まるでドラマの一コマのように浮き上がってくるかのような“語り的”な歌詞ですよね。ドラマと歌詞が重なりあって相乗効果を生み、心を一層うちます。

自分が下したい人生の荷物、終わらせたい人生の宿題について考えさえられました

劇中で「最後の願い」を叶える仕事を依頼してきた謎の老女、佐藤和子(倍賞美津子)がこう語ります。

「病人が死んでいく時はね、最期の最後まで他人には迷惑をかけたくない、わがまま言いたくない、そうやって小さく小さくなって死んでゆくしかないの」

「せめてわがままくらい聞いてあげたっていいじゃない。あたしは病気になってそれがわかったのよ。」


「ろうそくの炎が最後になると一瞬ほわっと明るくなるでしょ。人間も同じでそういう瞬間があるの。それを天使の時間って呼ぶのよ。その時間を私たちは黙って作っていくの」

ドラマの中で最も心打たれた言葉たちでした。そして考えました。これから一層弱っていく父にどう接していけばよいのかと。父の「天使の時間」を作ってあげるとは一体どうすることなのだろうかと。同時にそれを考え、実行することが今の私にとって「人生の宿題」であり、真摯に向き合うことが大事だと感じています。

私と父はかなり長く対立してきた関係ではありますが、ドラマを見終わった今、「自分のために何かを望むことはいけないことなのか?」そんなことを父に言わせたくないと強く思います。長く面と向かい合ってこなかったぶん、少しでも会話して、父の思いをくみ取ってかなえてあげることは、きっと父にとっても私にとっても人生の荷物を下ろすことにつながると思うのです。

このドラマを執筆した大森寿美男さんによると、死をたくさん見てきたお医者さんは「私は死を身近に感じている病人が、今ここで何を考え、どんな気持ちを味わい、どういったことを望んでいるのか、まずそこに中心をおいて接している」と言ったそうです。

2020年は世界中で新型コロナウイルス感染症が蔓延し、多くの方が無念の死を迎えました。また同時に自粛ムードの中で心を病み、自殺する人が増えました。

今、誰もが「死」というものに対して向き合うことを改めて求められています。長生きするかどうかだけでなく、どう困難や障害や失敗と向き合って、豊かに実り多く生ききるのか、一人一人がそれぞれの立場で考えることが大事なのではないでしょうか。

「天使にリクエストを」はNHKオンデマンドとU-NEXTで視聴できます

上の動画が予告編になります。

本放送は終了、既に見逃し配信も終了してしまっています。今後見たいとしたら「NHKオンデマンド」または「U-NEXT」での視聴になります。「NHKオンデマンド」ならば「見放題パック」が良いでしょう。興味のある方、ぜひどうぞ!

ひなこ

50代前半未婚女子。療育関係に長年勤務し2022年春退職。80代の父を介護し看取りました。現在は公認心理師 と専門学校の生物の講師を兼業。アドラー心理学と認知行動療法、女性活躍推進コンサルタントを勉強中です。ここでは様々な生き方に関するお役立ち情報と耳や目に関わることについて発信しています。

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